本日これって何?のランジェリーアイテムは
ガーターベルト
ガーターベルトは何に使うかご存知でしょうか?
またその歴史はご存知ですか?
今日はガーターベルトの発祥とその機能性や用途について詳しく紐解いていきます。
そもそもガーターベルトは現代は女性が使うものとして多く知られていますが、男性も使うものということをご存知ですか?
実はガーターベルトの着用の始まりは男性が最初なのです!
というのも最初に着用され始めたのはのちにソックスガーターと言わる
膝下までのソックスがずり落ちないようにするためのもの。
そのためガーターは靴下を止める金具・紐のこと。
ガーターベルトは靴下を吊るためにウェストに装着するベルト。
つまりガーターベルトは2つのアイテムから成り立っているものになります。
(これはのちに一体化します。)
男性から始まったガーター
最初に作られたガーターは12世紀ごろのヨーロッパ。
当時のヨーロッパでは、宮廷での典礼や儀式の際に舞踏会が行われることが多く、ドレスコードも格式が高く、豪華絢爛なドレスをお披露目する場でもありました。
※1930-50年代の紳士向け雑誌 - Twitter参照画像
この時代はまだ民生用化学繊維がなかったため、裏糸に伸縮性のある糸を使えず、ゴムの力も弱かったと言われています。
そのため格式のある舞踏会でのダンス中では男性用のストッキングや靴下がずり落ちてしまいます。
それがずり落ちないよう見栄えを保つため着用されるようになったのがこの写真のようなガーターだと言われています。
男を紳士にするための脚元の密かなお洒落の嗜み、それがガーターだったそう。
※画像引用元:Pinterest
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💡豆知識
1930-50年代の紳士向け雑誌によると、
・紳士にガーターは必須。
・装いに合わせた色柄様々なガーターでコーディネートを楽しもう。
・ガーターはギフトとしても最適。
装いやパーティに合わせた紳士アクセサリーとして当時はチェックや柄、色様々なデザインのものがあったようですね。
そのためサスペンダーやカフリンクス等と共にコーディネートできるガーターが主流だったようです。
引用元 : https://x.com/m0bilis/status/1698226227025486187?s=20 画像元:1939年アメリカの紳士向け雑誌より
引用元 : https://x.com/m0bilis/status/1698226227025486187?s=20 画像元:1939年アメリカの紳士向け雑誌より
ちなみに下のようなシャツを止めるためのシャツガーターもあったとか。
画像元:1924年フランス 紳士向け雑誌より
画像の文章を訳すと、
「脚の形が良くない人には、このアメリカン・サスペンダーが役に立つ。 膝のあたりまであり、シャツの着膨れを防いでくれる。 金属部分はない。」
シャツが上に上がって着膨れしにくく、靴下がずり落ちにくい。両方に嬉しい機能。
現代でもし使っている方がいらっしゃったらドキッとしてしまいそうなお洒落ですね。
フランスの紳士向け雑誌ですが、こちらのアメリカン・サスペンダーなるものはアメリカを中心に発展したようですね。
この時代のヨーロッパ・アメリカのマガジンには様々なガーター・ガーターベルト・サスペンダーが男のロマンとして定着していたようです。
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女性も着用するようになったガーター
※画像引用元:Pinterest
その後に女性も公式なるパーティにて男性と同じような事例が多かったため、女性用も作られるようになり、男女共にダンスの必需品となりました。
ガーターベルトが出てきたこの頃は下着、いわゆるインティメイトとして着用されていたことと、化学繊維がまだ開発されていたなかったため下記のような主に利便性が重視されたガーターベルトが主流だったと言われています。
※画像引用元:Pinterest
時を経て50年代にディオールがニュールックを発表したことによって大きく変化します。
それと共に下着の素材もナイロンなどの化学繊維が開発され、下着も大量生産される時代へ。
※画像引用元:Pinterest
とはいえまだパンティストッキングはなかったため、ガーターはウエストニッパーやショーツにくっついた形がこの時代多くみられます。
下着の歴史を見ると、どの時代でも女性の下着に欠かせないのがストッキングとガーターベルトだったことがわかりますね。
60年代ではクレージュがオートクチュールのコレクションでミニスカートを発表したことによってミニスカートが大流行。
それと共にパンティストッキング・ニーハイストッキングがも大流行しました。
※画像引用元:Pinterest 60年代に大流行したストッキングパッケージ
そしてガーターベルトはそれらがズリ落ちないようにするための機能を持つ機能性のある下着でもありながら、ランジェリーアクセサリーとしてガーターベルトは大流行しました。
※画像引用元:Pinterest 現代のシンプルなガーター参考画像右下
最後にガーター用語のおさらい
ガーター・ベルト(garter belt):靴下を吊るためにウェストに装着するベルト。このベルトで靴下留めの金具部分(ガーター)を吊り下げます。パンティストッキングの普及によって、1970年代頃から使われにくくなりました。
ガーター・ソー・オンズ(garter sew-ons):サスペンダー式のガーター。コルセットやガードル・シャツに縫いつけられた(sew on)短い靴下留め。ガードルやコルセットの先端に前後左右4つの金具で靴下を吊ります。ブログで話しているシャツガーター。
ガーター・パンティーズ:靴下留めパンティーズのこと。ぴっちりしたタイツなどを穿く時に数種類もの下着を用いず、これ1枚だけで着用が可能となったもの。弾力性のあるエラスティックの効いた布が用いられます。化学繊維が発展し、ミニスカが大流行したのちに出てきたもの。
こうしてみると下着は常にファッションと共に変化し、共鳴し合っていることがわかりますね。
近年ではガーターベルトも、ブラやコルセットなどと共にランジェリーアイテムとしてはもちろん、ファッションの一部としてコーディネートして楽しむ姿もよくみられます。
ランジェリーの用途は非常に多様になってきていますね。
ランジェリーは作るだけでなく、
その歴史や機能性、用途を知り分析し、自分なりに解釈していくことで自分がデザインする時、パターンを引く時にどのように書けば、引けばイメージに繋がるのか、分かるようになってきます。
教室でも些細な歴史に触れながら、様々な豆知識を得ながらランジェリー制作を楽しんでいただければと思います。
では今日はここまで◎
講師 sakura
sakura lingerie school
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sakura lingerie school / sakura ランジェリー教室@class_sakura 学んだだけでは技術とは言わないのです。学んだことから、繰り返し同じことを続け、オリジナル作品を作る、さらに自分だけのコツを掴み、新たな自分だけのカットアウトやソーイング技術を見つけ、身につけ、美しく精巧なものに仕上げることができるようになる。そしてようやくあなたの技術になります。2023年06月02日 21:20
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